当サイトでは、『白斑』という病気に関する様々な情報をまとめてご紹介していますが、今回は、
「そもそも『白斑』って、何?」
という基本的なことについてお話したいと思います。
今あなたは、ご自身が白斑を発症されて色々と調べられている、または、身近な人が白斑になって情報を集めているなど、状況は様々かと思います。
既にどこかで情報を得られているかもしれませんが、この『白斑』という病気は、かなり”厄介なやつ”で、根気よく闘っていく必要がある”しつこいやつ”でもあります。
現在はまだ一撃で完治するような治療法が開発されていないばかりか、その原因すら完全には解明されていないというのが実情です。
しかし、自身も白斑患者であり白斑について色々と調べ、治療法などを研究している私としては、日進月歩で進化する医療技術の発展の中において、白斑の治療法についても少しずつではありますが、進化していることを実感しています。
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目次 -Contents-
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「『白斑』は、絶対に治る。」
当サイトでは、繰り返しそう申し上げていますが、あなたも是非信じて闘っていただきたいと思います。
それでは、「白斑とは何なのか」ということについてお話していきます。
『白斑』とは
『白斑』という病気は、簡単に言ってしまえば「皮膚の色が抜けてしまう病気」ということになりますが、その実態は非常に”やっかい”な病気でもあります。
詳しく見ていきましょう。
「先天性」と「後天性」
『白斑』という病気は、大きく分けて「先天性」のものと「後天性」のものの2つに分類されます。
そして、「後天性の『白斑』」のことを「尋常性白斑」と呼び、当サイトでは、この「尋常性白斑」を対象として「白斑」と呼ぶこととしています。以前は「しろなまず」と呼ばれたりもしていましたが、最近では「白斑」と言えばこの「尋常性白斑」を指す場合が多くなってきています。
「尋常性」とは、医学用語のため難しく感じてしまいますが、要するに「普通の」「一般的な」「ありふれた」という意味の言葉になります。医学的にその症状が「もっともありふれたもの」である、ということを示すために使われる用語です。
つまり、「尋常性白斑」というのは、症状として最も多い典型的な「白斑」のことであると考えておけば大丈夫です。
先天性の白斑では、その症状の特徴として「白髪や金髪といった薄い色の髪の毛」、「眼(瞳)の色が青っぽい」といった色素の異常が見られることがあります。また、見た目の”色”の違い以外にも、「視力に障害」が生じていたり、「日光アレルギー(光線過敏症)」といった症状が併発している場合もあり、後天性の白斑とは切り離して考える必要があります。
その他にも、先天性の白斑については、その原因から症状、治療法に至るまで、後天性の尋常性白斑とは異なることも多々ありますので、「先天性の白斑」について調べられている方は、当サイトの情報は参考程度にご確認いただき、改めて「先天性の白斑」にフォーカスして情報収集されることをおすすめします。
後天性の場合の特徴としては、後程詳しく解説していきますが、その症状によっていくつかのタイプに分けられ、最も多いとされる「汎発型」と言われる白斑の場合、長い期間にわたって全身の様々な箇所に色素が抜けた部分(白斑患部)が現れてきます。
先程、”白斑は未だ原因不明”と書きましたが、最近では”ストレス”による影響が大きいということが判りつつありますので、なるべく精神的な面、カラダの内面から整えていくということが非常に大切になってきます。
この病気は”痛み”や”かゆみ”といった症状がなく、ある意味で、”ただ皮膚が白くなるだけ”のものと言うことができます。しかし、その見た目こそが本人にとって精神的に非常に辛い状況へと陥れていくのです。
特に女性においては、小さなニキビや少しの肌荒れでも気にするほど”肌”に敏感な中において、その肌の一部、しかも目立つ場所の色が抜けて白くなってしまうというのは、非常に辛いことです。
後天的に白斑を発症し、ある日を境に少しずつ白斑が拡がってくると、心配な気持ちや大きな不安が襲い掛かって来ることもあろうかと思いますが、厳しい言い方をすれば、発症してしまった以上、もう立ち向かうしかありません。
当サイトでは、現在考えられる最良の治療法などについてもまとめていますので、ここでの知識を糧に、最速で元の状態に戻れるよう、諦めずに治療を続けていきましょう。
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続いては、その白斑の分類についてです。
白斑の病型(臨床分類)
ここでは、『白斑』という病気の分類を整理しておきたいと思います。
【限局型】
カラダの限られた範囲にのみ白斑の症状が出てくるパターンを指します。はじめは数センチから10センチ程度のサイズであることが多く、多くの場合は、その最初に現れる限局型の白斑に対してカラダが反応してしまうことで、(メラノサイトを攻撃する)抗体を生成してしまい、次に紹介する汎発型へと発展していきます。
最近では、この限局型について、その後汎発型か分節型へと発展するために使われなくなりつつあります。
【汎発型(はんぱつがた)】
尋常性白斑を発症した患者の中で、最も多いのがこの「汎発型」で、全身のいたるところに白斑が現れる可能性があります。限局型の白斑を発症し、その後自己免疫が全身のメラノサイトを攻撃するようになってしまうことで汎発型となっていくパターンが多いとされています。
【神経分節型】
神経の流れに沿って白斑が発症するため「神経分節型」と言われているものです。末梢神経のうち、自律神経に異常を引き起こしていることが原因で白斑となってしまうと考えられているものになります。
白斑という病気は、見た目にすぐ解ることもあり、伝染すると思われることもあるようですが、空気感染や接触感染といったことはありません。
また、現時点においては、尋常性白斑の発症と遺伝との関係性についても未解明となっています。
後天性の白斑を発症した場合、「甲状腺機能障害」といった自己免疫障害など、様々な合併症を併発している可能性も考えられますので、病院での診察の際には、そちらも併せて確認をしておく必要があります。
有名人の例
白斑の発症確率は、人口の約1-2%程度とされており、日本にも最大250万人程度の患者がいると言われています。発症に男女差はありませんが、発症する年齢には様々な例があり20-30代で発症するケースが多いとされています。
有名人の中にも白斑を発症している例があり、最も有名なところでは、「キング・オブ・ポップス」と呼ばれ、世界的に絶大な人気を誇り2009年に急死した「マイケル・ジャクソン」が挙げられます。
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彼は黒人で、元々黒い肌をしていたのですが、白斑を発症し、見た目の影響などからその後カラダ全体を脱色してしまうことで”色の均一化”を図ることを選択しました。(現在でも、白斑がカラダの非常に広い範囲に及んでいたり、各種治療法が効果が出ない場合に関しては、この”脱色”という処置を選択する場合があります。)
私もそういった経緯を知る前は、マイケルに対して「白人に憧れるあまり、自ら皮膚の色を抜いて”白人化”していった」のかと思っていたのですが、実際には白斑が影響していたんですね。自分が白斑を発症し、色々と調べていく過程でそのことを知りました。
白斑を発症すると、ただでさえ人前に出ることを躊躇しがちになってしまうのですが、彼のように、それが仕事となると、本当に辛い時期もあったかと思います。
少し趣旨が異なりますが、白斑とは関係なく、肌の色を白くするという手術を受ける人もいます。米国の大リーガー、サミー・ソーサやビヨンセなども一部でそういった話が出ていますが、これらのケースは単に”黒人であることへのコンプレックス”や”白人への憧れ”、ひいては一向になくならない人種差別への対抗措置といったことが理由としてあるようです。
また、反対に白斑であることを逆手に取って、いい意味で開き直り明るく前向きな人生を歩んでいる人もいます。
カナダ出身のファッションモデルで、ウィニー・ハーロウ(Winnie Harlow)という人がそうなのですが、幼いころには白斑による特徴的な肌から壮絶ないじめに逢い、時には自殺も考えるほどに落ち込んでしまいますが、その後、メイク等で白斑であることを隠しながら悩み続けて生きるのではなく、それをも”自分の個性”であると捉えて、明るく前向きに生きていくことを決心します。
そして、夢だったファッションモデルとなることに成功し、現在では、自身の体験を語ることで「夢を諦めないこと」の大切さを発信し続けています。そんな彼女は2014年には、「第21回次世代の米国トップモデル」のファイナリストにも選出されています。
簡単に真似できることではありませんが、彼女のような生き方には、大きな勇気を与えられ、明るく、そして強く生きていくことの大切さを学ばせてもらえる気がします。
原因
ここからは『白斑』の”原因”についてです。
結論から言うと、白斑を発症する原因というのは、未だ解明されておらず、はっきりと特定されてはいません。
しかしそれでも以前に比べればその研究は進んできており、前述の様に、主にストレスが原因であるという考え方が主流となりつつあります。
ただ、白斑という病気を発症する引き金となるものが直接的に何なのかは解明されていない一方で、肌が白くなるという白斑の症状に至るメカニズムについては、肌の色をつくりだす細胞である「メラノサイト」が破壊され、肌の色の成分である「メラニン色素」が生成されなくなるためであるということが判ってきています。
白斑を引き起こす主な原因として現在唱えられている説はいくつも存在していますが、主に以下のようなものになります。
・自己免疫説
本来であれば”自己免疫”のために、特定の異物(の中の”抗原”)を体外に排除するために働くはずの”抗体”と言われる糖タンパク分子が、「メラノサイト」という色素を生み出す細胞を攻撃し、「メラニン(=色素)」が作られなくなり、色素が抜けてしまうとする説です。
解り易く言うと、本来であれば自分のカラダを守るために、体の外から入ってくる悪い物質を排除する働きをするはずの機能が、体(皮膚)に必要なものであるはずの、肌色を作るための機能を敵だと勘違いして攻撃してしまい、その結果、肌色という色素が作られなくなって、肌が白くなってしまう病気、ということになります。
・自己細胞障害説
自然免疫のために存在するはずの細胞が、自己を攻撃してしまうことに起因して白斑を発症しているとする説です。
・末梢神経機能異常説
末梢神経のうち、自律神経の異常が原因とする説になります。これは、神経文節型の白斑に関して、神経に沿って白斑の症状が現れること、皮膚の神経とメラニン色素を作るメラノサイトが繋がっているとされることから、神経系の異常が白斑を引き起こすものと考えられているものです。
・環境周囲異常説
何らかの原因で白斑部位の周辺に特定の細胞が増加し、その影響によって白斑を発症するとする説です。
・遺伝子異常説
白斑患者が複数いる家系もあり、そういった家系では特殊な遺伝子をもつ場合が多いことから遺伝性とされる説も考えられています。
また、薬品や化学物質の副作用、感染症の後遺症などの外的要因によってメラノサイトの異常が引き起こされてしまうといったことも原因として考えられています。
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いずれにしても、免疫系の細胞に異常をきたし、それが肌の”肌色”を生成するための機能を奪ってしまうがために、皮膚の色が抜けていってしまうということのようです。
患者の立場としては、一刻も早く原因究明が進み、絶対的な治療法が確立されることを願いたいのですが、最近では、『ips細胞』のような画期的なバイオ関連の発明なども出てきており、期待は膨らむばかりです。
治療法
現在白斑に対して採られている医療措置というのは、主に、
- ステロイド外用
- 光線治療
- 手術治療
などが挙げられますが、どれも有効な治療法として確立されたものではありません。
しかし、それぞれを単独で行うのではなく、白斑患者それぞれに合った治療法を複合的に施していくことで、白斑の症状が改善する例は多く出てきており、現在はそういった取り組みを地道に続けるよりほかないというのが現状です。
治療法について詳しくお知りになりたいという方は、
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こちらに詳しくまとめてありますので、併せて参考にしていただければと思います。
まとめ
さて、今回は”そもそも”のお話である、「『白斑』って何なのよ?」という部分にフォーカスしてまとめて参りましたが、いかがでしたでしょうか。
ポイントは大きく2つです。
- 『白斑』とは、肌の色が抜けてしまう症状のことで、未だ原因が解明されていない”ややこしい病気”である
- 根気強く治療すれば治る確率は高まってきている
ということです。
かつての私自身がそうだったように、治療に長い期間を要するこの病気は途中で治療を諦めてしまう人もいます。また、治療を受けられる病院が近くになかったり、通院が困難だったりして、思うように効果が得られないという方もいるかと思います。
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当サイトの管理人である私は、かれこれ10年以上『白斑』という病気と格闘しています。 初めに顔に現れたこの「白斑」は、その後「首」、「カラダ」そして、「手」へと拡がっていき、今ではそれらの部位の色素を復 ...
しかし、しつこいようですが、『白斑』を完治させるためには、根気強く治療を続けるしかありません。
原因究明と医療技術の発展が進み、どんどんと”治る病気”になってきていることに希望を見出しながらも、地道に今できる治療を続けていきましょう。
陰ながら、応援しています。そして、私もがんばります。