現在『白斑』の治療に使われている光線療法というのは、当サイトでも様々な所で触れている通りですが、大きく分けて2つ、『エキシマライト』と『ナローバンドUVB』というものがあります。
どちらも光線療法ということで、顔や手、カラダといった白斑症状が出ている箇所に”光”を当てることで皮膚の色素を復活させようとするものです。
では、この”光”とは何なのかと言いますと、一言で言うならば「太陽光線のうち、白斑治癒に効果のあるカラダに良いものだけを人工的につくり出したもの」ということになります。
ということは、この光を正常な皮膚に浴びるとどうなるのか。
そうです、”日焼け”します。
そこで、光線治療を行う際には、白斑部位の周辺の正常な皮膚を保護してあげながら、なるべく白斑部位にのみ機器の光を当てていく必要があるわけです。
厳密に言えば、白斑部位とその少し外側の正常な皮膚の部位ぐらいまでに光を当ててあげるのがベストなのですが、それより外側に関しては光が当たらないように保護してあげる必要があるわけです。
病院によっては、光線治療を施す際に、正常な皮膚の部分を保護するためのテープや布などを用意してくれている所もあるかとは思いますが、私がおすすめするのは、自分の「保護テープ」を作ってしまっておくことです。
私自身も光線治療を行う際には、この自作の保護テープを正常な皮膚に当てて、正常な皮膚を守りつつ光を当てているのですが、今回はこのテープのつくり方についてご紹介をしていきたいと思います。
自宅で『家庭用ナローバンドUVB照射装置』を使用している方も、病院で光線治療を受けている方も、是非参考にしていただければと思います。
目次 -Contents-
準備するもの
「保護テープ」作成にあたってご用意頂きたいのが、以下のものになります。
- ビニールテープ
- ハサミ
- カッターナイフ
- カッターナイフ用下敷き
- 下敷きやクリアファイル
順に見ていきましょう。
ビニールテープ
これが今回作成する「保護テープ」の元になる材料です。このテープを加工して自分の白斑に合わせた形にしていくことで、保護テープを完成させます。
布などを使用しても良いのですが、正常な皮膚を保護するのに肌に直接貼り付けられた方が的確に白斑箇所の周辺を捉えることができますので、おすすめです。
私も以前は布を切って使用していたのですが、照射中にずれてしまったり、自分の白斑の形に綺麗に沿ってくれなかったりと面倒な思いをすることが多かったため、こちらのビニールテープ製のものに切り替えました。
ハサミ
テープをカットするためのハサミです。何でも構いません。家庭に1つはあるでしょうから、そういった一般的なハサミがあれば結構です。
カッターナイフ
これも一般的なカッターナイフで構いません。
「あまりにも刃が錆びてしまっている」とか、「ほとんど切れ味が残っていない」といった場合に関しては、細かな作業ができませんし、怪我のもとにもなってしまいますので、新しいものをご用意いただいくことをおすすめします。
カッターナイフ用下敷き
これに関しては、読み終わった雑誌やダンボールやまな板などカッターナイフを使用する下が傷つかなければ何でも構わないのですが、カッターナイフ用下敷きは、百均などでも売っていますし、今後長期的に光線治療を受けることを前提とすれば、今回作成するカバーは都度更新(作り替え)する必要もありますので、専用のものをひとつ用意しておいた方が便利かもしれません。
”更新の必要”というのは、段々とビニールテープの粘着力が弱まったり、劣化によって粘着部分が少しネチョネチョしてきて気持ち悪くなったり、一番良いのは、白斑部位に色素沈着が出てくることで、(白斑部分が小さくなることで)カバーのサイズや形を大きくしていく必要が出てくるためです。
白斑部位に色素沈着が見られたりすると、白斑の形が変化してきますので、それに合わせてカバーも作り変えてあげる必要があるわけですね。
下敷きやクリアファイル
こちらは、最終的に完成したテープを保管しておく際に便利ですので、ご用意されることをおすすめします。
つまり、完成した自作保護テープは素材がビニールテープでできていますので、当然粘着性があるわけで、使用しては剥がし、そしてまた使用して剥がしてという風に、貼ったり剥がしたりを繰り返す上で、下敷きやクリアファイルなど、綺麗に剥がせるものに貼り付けておけば便利ですよ、ということです。
保護テープのつくり方
では、具体的なつくり方に入っていきたいと思います。つくり方と言っても、何も難しいことはありませんので、ご安心ください。
なお、今回は「手」に貼る保護テープを例に解説していきますが、つくり方の手順自体は体のどういった箇所であれ同じですので、以下の手順に沿って作業をしていただければと思います。
ビニールテープをカットする
白斑部位の大きさにもよりますが、まずはビニールテープをテープが伸びている方向に対して垂直に10~20枚程切っていきます。
白斑部位を形どる
1cm×テープ幅の小さなテープがたくさんできたら、それを白斑のある箇所の周辺を形取るように肌へと貼っていきます。
この時、白斑の部位より2~3mm程外側に貼っていくのがポイントです。白斑になっていない正常な皮膚を少し出す(正常な皮膚にも少し光が当たるようにする)ことで、白斑の周辺部位からメラノサイトを活性化させて段々と白斑部位を小さくしていくことを目指します。
白斑箇所の周辺をテープで覆ったら、一旦剥がします。剥がしたら、カッター用下敷きがある場合はその上に貼り付けてください。
カッター用下敷きが無い場合は、それを机の上に”反対向き”に置きます。粘着面を上にして置いてください。
二重にする
大きめのテープを2~3枚用意します。
そして、それを先程白斑部分を形取ったテープの粘着面に背中側(粘着面ではない方)を貼っていきます。
カッター用下敷きがあっても無くても同じことなのですが、要は、最初に白斑部分を型取ったテープの下側に大きめのテープが付く形になります。
こうすることで、貼ったり剥がしたりを繰り返す際に扱いやすくなる上に、テープが2重や3重となることで光線が正常な皮膚に届きにくいようにし、正常な皮膚の部分が黒くなってくることを予防します。
切り取る
型取ったテープの下に大きなテープが貼れれば、あとは上からもとの型通りに白斑部分に当たる箇所を切り抜いていきます。
これで完成です。
あとは、照射する箇所に併せて大きいテープの枚数を調整してください。
カラダなどの大きな白斑部位に使用する場合には、不向きな場合もありますが、そういった場合でも、患部にはこのテープを使用し、それ以上に広い部分を覆うには布を使用するなどして対応していただければと思います。
手の場合は、併せて「日よけ手袋」もおすすめ
今回の「保護テープ」は主に、「顔」および「手」に使用することを前提としていますが、手に使用する場合のポイントをもう一つ上げておきたいと思います。
最近は、病院での照射の場合、全身用の大きなナローバンドUVB照射装置が用意されている場合もあります。こういった非常に大きな範囲をカバーする機器で光を当てる場合には、手の先の患部以外を覆うだけでも大変になってしまうこともあります。
そこで、基本的には服を着ていれば問題ないのですが、夏場などに半袖を着ていることもあるかと思います。そんな時に私が使用しているのが、「車用日焼け防止手袋」です。
手の甲や指などの細かい部分には、今回作成した保護テープをはり、腕にこのアームカバーを被せることで、腕の日焼けを防いでいます。
最初の頃に、何度か手の甲に全身用のナローバンドを当てていて、テープを貼っていない部分がクッキリと赤く日焼けしていしまい、何かないものかと思って探していて見つけました。
冬など長袖を着用している時や、上にシャツなどを羽織っていけば良いのですが、夏場でふと半袖のまま病院に行ってしまうということもあったので、病院へ行く時のセットとしてこのアームカバーも入れています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、少しマニアックな”保護カバー”のお話ということで、私なりに工夫した結果としてその作り方をお伝えしてまいりました。
ナローバンドの光は、ちょっと気を抜いて正常な皮膚に当ててしまうと、すぐに日焼けして赤くなったり、黒くなったりしてしまいます。したがって、予期せぬ箇所の日焼けを防ぐため、そして、的確に白斑部位の周辺にのみ光が当たるようにするためにも是非活用してみてくださいね。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。